シルクを暮らしに取り入れたら、洗濯物が3分の1になった話

初めてシルク製品を使うお客様に、必ずお伝えすることがあります。

それは、
「そんなに頻繁に洗わなくて大丈夫ですよ」
ということ。

すると大抵、
「ええーーー!じゃあ何日おきに洗えばいいんですか?
と驚かれます

そんな時、私はいつも、
「ご自分で決めていただいていいですよ」
とお答えします。

シルクは、「生きて呼吸する繊維」。
放湿性や防菌性に優れ、そんな特徴は自浄作用とも言われます。
たとえば着物やシルクのスカーフって、そんなに頻繁に洗わないですよね。
それも、「シルクだからこそ」叶う特性なのです。

さらに、シルクは「汚れが付きにくく、落ちやすい」繊維でもあります。
だから本来、洗濯もそんなに大変ではありません。

「簡単に洗える」と聞くと、
=洗濯機OK
=ジャブジャブ洗える
というイメージが浮かぶかもしれません。

でも実は、シルクは“ジャブジャブ洗う必要がない”繊維なのです。
やさしく、簡単に。
だけど少しだけ意識して、
「衣類を洗う」ということに向き合ってほしい。

そんな風に思っています。

・・・なーんて偉そうなことを言っていますが、
実は私、昔から「丁寧で意識高い暮らし」をしてきたわけではありません。

シルクを暮らしに取り入れて30年近く。
今回は、そんな私が改めて「洗濯」について考えるきっかけになった出来事を、
ご紹介したいと思います。

 《洗濯機が壊れた日

我が家は5人家族です。
今でこそ、一つ屋根に暮らすのは3人になりましたが、
15年ほど前までは、まさしく子育て真っ最中。
毎日が洗濯との戦いでした。
泥んこ、食べこぼし、お漏らし…。
洗濯機を毎朝2回まわすのが当たり前。

そんなある日。
当時使っていたドラム式洗濯機が、
洗濯途中で突然止まってしまったのです。
しかも、中には洗濯物がぎっしり。
ドアも開かない。

慌てて電気屋さんに連絡したものの、
「修理は明々後日になります」
とのこと。

買う時はすぐ届くのに、修理って時間がかかるんですね…。
でもまだ新しい洗濯機だったので、なんとか修理してもらいたい。

そうして我が家は突然、
「数日間、洗濯機なし生活」
に突入したのでした。

《 “洗う”って、こんなに大変だった?》

当時、上の子たちはまだ小学生。
末っ子は保育園児。
とにかく毎日たくさんの洗濯物が出ます。

そこで私は、子どもたちを集めて宣言しました。

「今日から3日間、自分の服は自分で洗います!」

すると子どもたち、
「は~~い!らじゃ!!」
と、なぜか嬉しそう(笑)
なんだか大人扱いされた気がしたのかな。

早速、お風呂場で洗濯板と石けんを使って洗濯開始です。

上の子は私の真似をしながら、
下の子はお兄ちゃんを見ながら。
最初はワーワー楽しそうにやっていたのですが…。

15分後。

「重い〜」
「疲れる〜」
「もうやだ…」

そりゃそうだ。
フード付きの分厚いパーカー、
ジーンズ、
真っ黒な靴下。
洗うのも、絞るのも、本当に大変。

最初は賑やかだったお風呂場が、
だんだん無言になっていきました。

その時、ふと思ったのです。

「…思ったんだけどさ。」
「ちょっと昔まで、これ全部手で洗ってたんだよね。
 それこそママのおばあちゃんとかの時代」
「しかもお湯も出ないし、井戸水をくみ上げて。」

子どもたちも、なんとなく自らの軟弱さに気付いたような顔に・・・

そうして、その日から我が家には、新しいルールができました。

《洗濯カゴに入れる前に考える》

「今日から、洗濯カゴに入れて良いのは、
手洗いしてでも洗いたいと思うものだけ!」

さらに、
汚さない工夫をしましょう」
という司令も追加。

不用意に食べこぼさない。
お絵描きの時は袖まくり。
おしっこは我慢しない(笑)

そして、
「洗うかどうかは、自分でちゃんと考える」

洋服をよく見て、
匂いも確認して、
“今日、本当に洗う必要があるのか”を考える。

そんな習慣が始まりました。

《シルクが変えた、我が家の洗濯》

ところで当時すでに、
私はかなりのシルク偏愛者でした。
でも正直、日々の家事だけで精一杯。

洗濯といえば、
ただ洗濯機でガラガラ回すだけでした。

生地が傷むのは分かっていても、
手洗いする余裕なんてない。

でも、この出来事をきっかけに、
自分の“思い込み”も見直してみたのです。

子どもに言ったのと同じことを
シルクインナーについても当てはめてみる。

そもそも、
このキャミソールって本当に今日洗う必要がある?

洗剤を入れて洗濯機を回せば、
それで本当に「きれい」なの?

シルクだけじゃなく、他の衣類だって、
別にジャブジャブ洗われたいわけじゃないのでは?

そう考えるようになってから、
「洗濯」が少し変わりました。

洗濯表示だけを見るのではなく、
その日の汗や汚れ、
衣類の状態を見る。

今日はどんな一日だったかな、
なんて振り返りながら、
洗うかどうかを決める。

洗濯が、ちょっとした
「一日の振り返り」
になったのです。

《洗い過ぎないための、一工夫 》

たとえば、汗ひとつとっても、色々あります。

まだ暑さに慣れてない梅雨入り時期の、
塩分高めのベタつく汗。
スポーツ後の爽やかな汗。
緊張した時の冷や汗。
お腹が痛いときの脂汗。

などなど、
名前が付くくらいなのだから、
実際、汗の成分も少々違うと思うのです。

だから、汚れ
が強いものだけ予洗いしたり、
漬け置きをしたり。

シルクを洗うのに適した洗剤で、
他の衣類も一緒にやさしく洗う。

つまり、「全部まとめてジャブジャブ洗う」
のをやめてみたのです。

さらに、洗濯以外の衣類のお手入れも意識するように。

湿った衣類はすぐ風を通す。
部分洗いをする。
ウールはブラッシングする。

そんな小さな工夫も増えていきました。

ウールって、洗うより、
ブラッシングした方がきれいになることもある。
髪の毛と同じで、
繊維の流れを整えてあげる感じです。

《洗濯が変えた、暮らし方》

さてその結果、どうなったかというと・・
我が家の変化は、かなり大きなものでした。

・洗濯物が3分の1くらいになった
・みんな、ちゃんとモノゴトを観察するようになった
・服が長持ちするようになった
・私がラクになった!
・水道代も減った!!

これって、すごいことだと思いませんか?

衣類にも、
自分にも、
地球にもやさしい。

そんな暮らしが、
家庭の洗濯から始められるのです。

《 “清潔”って何だろう?》

洗濯でいつも思い出すのは、
映画『世界の果ての通学路』の冒頭のシーンです。

照りつける砂漠の中で、
ひとり黙々と砂を掘る少年。
ようやく滲み出てきた水を使って、
彼は、学校に来ていく自分の制服を洗いはじめました。

最後には、
澄んだ上澄みの水を水筒に汲む。
(ただの蓋の無い大きなボトル!)

「今日も無事に学校へ行けますように」
とお父さんに祈ってもらって、
象の群れに出くわすかもしれない危険な道を
妹と一緒に何時間もかけて学校へ向かうのです。

その時の私のカルチャーショックたるや、、、

「清潔」の観念って、
自分が置かれた環境や価値観によって、
全く違うものなんだな、と。

彼は、自分の目で汚れが取れたか確かめて、
太陽の力を借りて清潔を保ち、
ちゃんと暮らしを整えていました。

一方で私たちは、
自分の五感から少し離れたところで
“清潔神話”に振り回されているのでは?
と感じたのです。

最近は、マイクロプラスチック問題などもあり、
環境への意識が高まっています。

でも実は、海洋汚染の原因に、
洗濯時に出るマイクロファイバーも
大きい要因になっていると言われています。

シルクやコットンのような天然繊維であっても、
洗濯のたびに細かな繊維は水に流れていきます。

そんなことを考えると
「毎日洗うこと」
「真っ白にすること」
だけが、本当に正解なのかな?と思ったりします。

もちろん、衛生的であることはとても大切です。

けれども、私たちはこの100年で、
“何でも洗い過ぎる”ようになったのかもしれない。
そんな風にも思います。

今一度、自分の「当たり前」を見直してみる。
それもまた、大切なことではないでしょうか。

ぜひ、シルクを暮らしに取り入れることから始まる、
衣類にも、
自分にも、
地球にもやさしい、“ズボラ洗濯”。

今日から始めてみませんか?

余った時間やエネルギーは、
もっとワクワクすることに使いたいですね。

ずぼら店長YONEは、
今日も「適当」なお洗濯にいそしんでおります。

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この記事を書いた人

店長YONEのアバター 店長YONE 代表取締役

株式会社Pea Pod代表。3人の母。ピーポッドの商品すべてのデザインを手掛ける。個人事業主として起業してから20年が経つ。京都出身。

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